かつてガンバ大阪で活躍した元韓国代表FWファン・ウィジョ（32）が「無所属」となった。“性スキャンダル”で代表選手としての名誉を失ったなか、今度は選手生命に危機が生じている。
ファン・ウィジョは6月30日（日本時間）をもって、スュペルリグ（トルコ1部）のアランヤスポルとの契約が終了した。
クラブの公式発表こそなかったが、移籍情報サイト『Transfermarkt』ではファン・ウィジョが「無所属」とされており、事実上の退団が確認された。アランヤスポルの公式SNSを見ても、再契約に関する動きは一切見られない。
2024-2025シーズン、ファン・ウィジョはアランヤスポルでリーグ戦30試合（1467分）に出場し、7ゴール2アシストを記録した。終盤には2試合連続ゴールなど好調ぶりもアピールしていたが、クラブは契約延長を選ばなかった。
G大阪や仏で活躍→スキャンダルで失墜
かつてガンバ大阪所属で2018年のJ1リーグ年間ベストイレブンにも選ばれたファン・ウィジョは、フランスのボルドーで“欧州キャリア”の全盛期を過ごした。通算4シーズンで98試合29ゴール7アシストを記録し、特に2020-2021シーズンと2021-2022シーズンには2季連続でリーグ戦二桁得点を挙げ、アジア人ストライカーとして堂々たる存在感を放った。
しかし2022年夏、イングランド・プレミアリーグのノッティンガム・フォレスト移籍がキャリアの分岐点となった。本人が夢にまで見たプレミア挑戦だったが試合出場は叶わず、レンタルでクラブを転々とすることに。オリンピアコス、FCソウル、ノリッジ、そしてアランヤスポルと渡り歩いたが、いずれも短期契約に終わり、現在はフリーエージェントとなっている。
そんなファン・ウィジョは“サッカー以外の問題”を抱えている。彼は現在、女性との性行為映像を同意なく撮影した容疑で受けている。
本人は罪を認め、「二度と過ちを犯さない。被害者と応援してくれる人々に謝罪したい」と謝意を示したが、1審では懲役1年、執行猶予2年に加え、社会奉仕200時間、性暴力再発防止講義400時間の履修が命じられた。
裁判所は「被害者の同意なく4回にわたり撮影を行った。映像の性質・内容を踏まえても罪質は極めて重い。被害者はいまだ精神的ショックに苦しんでおり、許しも得られていない」と指摘した。
すると、ファン・ウィジョ側は1審判決が重すぎるとして控訴。93ページに及ぶ控訴理由書を提出した。控訴理由書では自身を「2026年の北中米ワールドカップで韓国代表の柱となるべき選手」と伝え、情状酌量を訴えたという。
もっとも、彼が再び韓国代表のユニホームを着る可能性は極めて低い。韓国サッカー協会は2023年11月に、「違法撮影容疑について明確な結論が出るまでファン・ウィジョを代表に招集しない」と明確な方針を示している。
裁判が続いている状況では、韓国復帰も現実的ではない。Kリーグ各クラブにとって、ファン・ウィジョの獲得は世論的なリスクがあまりに大きい。海外でも市場価値は低く、イメージ回復も難しい。
韓国代表、Kリーグ、欧州のいずれからも居場所を失ったファン・ウィジョは、キャリア最大の危機に立たされている。
一時は「ガンバ大阪のエース」「ボルドーのエース」「韓国最高のストライカー」と呼ばれ、国内で絶大な人気を誇ったファン・ウィジョ。その名声は今や影も形もない。
（記事提供＝OSEN）
◇ファン・ウィジョ プロフィール
1992年8月28日生まれ。韓国・全羅北道出身。身長185cm。大韓民国のサッカー選手で、元サッカー韓国代表。2013年に韓国Kリーグの城南一和天馬でデビューし、2017～2019年はJリーグのガンバ大阪でプレー。J1通算59試合23ゴールを記録し、2018年はJ1年間ベストイレブンに選ばれた。2019年夏にボルドー移籍を通じて欧州進出を果たし、2022年夏にノッティンガム・フォレストへ移籍。レンタルでオリンピアコス、FCソウル、ノリッジ・シティ、アランヤスポルでプレー。2024年夏にアランヤスポルへ完全移籍加入し、2024-2025シーズンはリーグ戦30試合7ゴール1アシストを記録した。
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